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「もし、私なら。
……正座して、膝を突き合わせて延々説得するかな。
だって、私も止めなかったことを後で後悔するの、やだし。
……もし寺田さんなら、間違いなくひっぱたいてるだろうね。
胸ぐら掴んで、『逃げてんじゃねーよ』とかなんとか、啖呵切って」
日南子の形相を想像したのか、可笑しそうに笑う。
「……成瀬さんは?」
「……」
「成瀬さんは、どうする?」
それは、問いかけではなかったのかもしれない。
北村先輩はわたしの答えを待つでもなく、再び日報に向かった。
『成瀬さんは、どうする?』
─わたしは……。
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