二つのソレは斯々然々

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    【一つ夜】 日々の考え事 日々の苛立ち 日々の…疲れ。 あげたらキリが無い負の要素を忘れたい、忘れる事が出来なくても。 一時的にでも、軽くなった様に勘違いさせる為に酒を呑む。 酒を呑んだ所で。 酔えない己に気が付く。 気が付いたら呑みながら考えに耽ってるもんだから、酔えないのだとまた気付いた。 酒が駄目なら次は何か。 女しか無い。 女を抱けば苛立ちも治まる筈。 酒を呑んで女を―… だが、どうやら其れにすら酔えない己に気が付いて、諦める。 諦めて身体の欲求のみを満たす為にだけ、冷ややかに女を見下ろす日々。 ふと気付く。 此れが普通なんだ、と。 馬鹿な男共は皆、こんなモンだろうに…馬鹿馬鹿しいにも程がある。 酔って女を抱いたから?現実を忘れられるなら幸せな奴だ。 そんな単純馬鹿な男共が、ある意味羨ましくさえあった。
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