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「寝ろよ。……もう哀しい夢、見るなよ」  こうして話していると、忘れそうになってしまう。  俊輔の笑顔も、声も、温もりも、以前と何も変わらないのに。  それなのになぜ、─俊輔はもういないんだろう。  そこにあるのが当然だった日常が、今は振り返れば直視できないほどに眩しい。  そして思い出が輝いていれば、その分、その落とす影は色濃い。  ─戻りたい。三人が一緒にいるのが当たり前だったあの日に。  それが大切なものだとは気付かず、ただ屈託なく毎日を過ごしていたあの頃に。
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