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「俊輔……」 「ん」  わたしは俊輔の手を握り直した。 「消えないでね」 「……」 「ずっと、繋いでて。 もう、黙っていなくならないで……」 「……」  寂しそうな俊輔の微笑みに見守られながら、気怠い眠気の波を迎え入れる。 「……俊輔……」  もう少し話していたい。  そう思うのに、引きずられ、呑み込まれるように意識が遠のいていく。  ─亜優。  眠りの淵に沈む直前、俊輔がわたしの名前を呼んだような気がした。
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