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「そんな事があったの。でも刹那も同じ気持ちじゃあないの?」
「確かに同じ気持ちですが、やはり華琳が継ぐべきだと思います。このまま行けば華琳は孤独の王となりましょう。それを支えれるのは半身である俺以外は居ないでしょうし。」
「刹那の気持ちはわかりました。華琳を呼んできて頂戴。」
「お呼びですか母様?お身体の調子はよろしいのですか?」
「大丈夫です。それよりも大事な話があります。今日から曹孟徳が私の後を継いで陳留の刺史とします。」
「いきなり何をおっしゃるのですか?それに何故私で、兄さんではないのですか?」
「これは私と刹那で話し合って決めた結果です。拒否権はありません。」
「ッ!わかりました。」
「なら今から忙しいですよ。文官と武官を今すぐ玉座に集めなさい。」
呼ばれた人間全てが玉座に集まり、何事かと話している。
「いきなり集まって貰ったのは、娘の曹孟徳に家督を譲ることが決まったからよ。」
すると何人かの文官と武官が抗議の声が上がる。
「何故曹龍様じゃあないのですか?」
「それは俺が辞退したからだ。俺は曹孟徳に俺以上の器を見た。しかしそんな理由では納得しない者も居るだろう。だがこれは我等の母、曹嵩様が決めた事でもある。この決定に異論があるものはこの場から出ていってもらっても構わない。しかしそんな人間は居ないと俺は信じている。もし華琳が悪政をしようものなら、俺自らが華琳を斬って俺が後を継ぐ。だから信じてあげてほしい。」
「我が名は曹孟徳。納得してないものは、今すぐ納得しろとは言わないわ。でもすぐに私の事を認めさせてあげる。貴女達の知と武を発揮出来る場はすぐに作ってあげる。貴女達が頑張れば頑張るほどここの民のためになるわ。国あっての民ではなく、民あっての国だと言うことを肝に命じなさい。不正等をしたものは即刻打ち首にします。しかし私もそのような事は母の家臣であった貴女達にはないと信じています。それとこれからは文官筆頭を夏候妙才に武官筆頭を夏候元譲にします。このように、才能あるものは次々と役職に付けます。だからいっそう奮起なさい。」
一瞬の静寂が場を包む。
「うぉぉぉぉぉぉ」
この場に居た人間全てが歓声を上げた。
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