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あの演説から更に5年の月日が流れた。はじめの頃は、不正の処罰や兵の鍛練さらには治安向上などに四苦八苦していた華琳達も、年が立つにつれ不正は消え兵は精鋭になり大陸で1、2を争うくらい住みやすい都市なっていった。
「なぁ華琳、俺はこの大陸を旅してこようと思う。出立は明日だ。」
「いきなりね刹那。何の理由もなくいかしてあげるほど私は甘くもないし、そんな余裕もあまりないわ。」
「理由は人材集めと、他の諸侯の様子見。てか俺が居なくても春蘭や秋蘭、他にも優秀なやつがいるから大丈夫だ。それに行くなら今の時期しかないしな。」
「人材集めはわからないこともないけど、他の諸侯には貴方が作った隠密隊を派遣すればいいじゃない。」
「自分の眼で確かめたいんだよ。まぁ大好きな兄と離れるのが寂しいと言ってくれたら行かないかもしれないが。兄さん、兄さんと言ってた華琳が懐かしいよ。」
「なッ///別に寂しくはないし大好きとかあり得ないわ。それに刹那が呼ぶなっていったんじゃない。お前が王で俺は将軍、王が例え家族であったとしても家臣に兄さんなんて威厳がないだろ?だからこれからは刹那と呼べって。」
「あり得ないわって。流石落ち込むよ。まぁそれを律儀に守ってる華琳も可愛いけどな。」
「うるさいわよバカッ////もう勝手になさい。しょうもない情報しか持ち帰らなかったら殺すわよ!!」
「了解。必ず華琳のためになる人材や情報を持ち帰るよ。それまでのこと任したよ。」
「当たり前でしょ。誰にいってるよの。」
「それもそうだな。じゃあ明日の準備でもしてくるよ。」
そう言って刹那は去っていった。
(本当に寂しくなんかないんだから。だから早く帰ってきなさいよバカッ!)
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