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「ここはどこだ。まさかこの歳迷子になるなんてな。出来たら日暮れまでにはどこかに着きたいんだがな。てか用があるなら早く出てきな。」
「ばれてるなら仕方ねぇ。持ってるもん全部置いてきな。」
「欲しいなら掛かってきな。まぁ実力の違いもわからない奴に負ける訳ないけどな。」
「嘗めやがって!!!お前らやっちまえ。」
一斉に10人ほどが刹那に襲いかかる。しかし、その場には刹那は居らず自分達の頭の所で剣を振っていた。
「さて君達の頭はこうやって死んだわけだけど、まだやるかい?まぁ聞こえてないだろうけどね。」
そう言って振り返ると、その場に立っていたのは刹那だけだった。
「誰か残して道聞けばよかったかな。君もそう思わないかい?」
「気付いてらっしゃったのですか?それよりもお強いのですね。」
「気配には敏感なんでね。君も結構強そうじゃないか。俺は曹龍、君はなんて言うのかな?」
「私は関羽です。曹龍殿は何か困ってらっしゃるのですか?」
「そうなんだよ。見聞の旅に出たんだけど、どうも道に迷ってしまってね。関羽は何をしてたんだい?」
「私はこの先にある村に帰ろうとしてました。良かったら村まで一緒に行きますか?」
「じゃあお言葉に甘えて。」
こうして関羽の村まで一緒に行くことになった刹那。しかし村に戻ってみると村人は切られ、家には火をつけられていた。
「大丈夫か何があった?くそッ!!お前は他に生きてる奴を探せ。そこのお前は何人か連れて火を消してこい。怪我人は1ヶ所に集めろ。早く行け!!」
「母上、兄上どこですか?まさか!!!」
「何処に行くんだ関羽。」
慌てて追いかける刹那。その先には泣き崩れる関羽と横たわってる女性と血だらけの男が居た。
「すまないね愛紗。この村も母をも守れなかった兄を許してくれ。お前だけでも生き残ってくれて本当に良かった。これからは愛紗の信じた道を行け。愛していたよ愛紗・・・そこの旅の方厚かましい頼みですが愛紗の事よろしくお願いします。」
「任してください。私の真名は刹那私の真名に誓って関羽殿の手助けをしよう。」
「ありがとう刹那殿。見ず知らずの俺に真名を預けてくれて。これで安心して逝ける。」
そう言い残すと、力尽きたように倒れた。
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