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華琳side
訓練上では兄さんと春蘭が対峙している。
「さて春蘭始めようか。試合中は素の態度でもいいから本気で来い!!!」
「わかりました刹那様。・・・では早速いくぞッ!!!刹那!!!」
「ぐッ!思ってるより重いじゃあないか。でもその程度だと華琳にも勝てないよ。」
「なんだとッ!その余裕すぐに無くさしてやる。」
「焦ったり怒ったりしてるから攻撃が単調になってるぞ。もっと相手の動きを見ろ、感覚だけで戦うな、頭を使え。」
「うるさいッ!難しい事も頭を使う事も嫌いなんだ!!!てかもっと打ち合え避けてばかりで攻撃してないじゃあないか。」
(あれは春蘭の実力をはかってるわね。今は私も勝てるでしょうけど、これから先はわからないわ。)
「あんなに簡単に姉者があしらわれるなんて刹那様はどれくらい強いのですか華琳様?」
「私の周辺には兄さんより強い人は居ないわ。才能があるくせに誰よりも鍛練や勉強をするんですもの。」
「努力する天才ですか。神童とか言われるのもあながち嘘じゃあないんですね。」
「そうね。でも私も負ける気はないわ。秋蘭もそうでしょう?」
「そうですね。姉者にも刹那様にもそして華琳様にも負ける気はありません。」
「なかなか言ってくれるじゃあない。それでこそ面白いのだけれどもね。あら、そろそろ兄さんが攻勢に出るみたいね。」
「打ち合いを希望するならそろそろこっちからいくぞ。ちゃんと受けないと怪我するぞ。」
いつの間にか春蘭の懐に潜っていて木刀を振っている。
(ぐッ!速いし私よりも重い。今のは偶々剣に当たったが、見えなかった。)
「今のを捌くなんてなかなか凄いじゃあないか。今ので終わるらせるつもりだったのだが。」
(今の私ではまだ勝てる気はしない。だがこんな楽しい試合は初めてだ。出来るならもっと続けたい。)
「さてそろそろ母さんの鍛練の時間もあるし、次の一撃で決めるか?」
「望むところだ。今の私の持てる力受けてみよ!!はぁぁぁぁ!!!」
春蘭の今日最速の一太刀が刹那に迫った。それを紙一重で避けて、春蘭の首筋に木刀を当てる。
「参りました。でも次こそは勝って見せます。」
「ああ。楽しみに待ってるよ春蘭。」
初めての試合は幕を閉じた。
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