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「わ、私?」
「様子を見るフリして口説きに来たんだよ。なのに俺、ダサイな」
ははっと苦笑する部長の瞳の奥が優しくて。胸が高鳴る。
けれど…
「あの、奥様いらっしゃいますよね?」
そう。部長は既婚者。
けれど火遊びをする様な人でもない。
仮にそうだとしても、火遊びの相手にこんな面倒臭そうな歳の私を選ぶ筈も無い。
なら…何故?
何かの罰ゲームなのだろうか。
まさか、忘年会のゲームで負けたとか?
「先々月に別れたよ」
「えっ!?」
初めての知る部長のプライベートな部分に触れて驚いてしまった。
「仕事ばかりの俺にずっと嫌気がしてたんだと」
「奥様の代わり…ですか?」
奥さんと離婚した後の穴埋め?
いくら部長の事が好きでも、それだけは嫌だ。
身代わりだなんて…
そんなの私には耐えられない。
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