サンタクロース

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目の前の部長を直視出来なくて 視線は右往左往へと泳ぐ。 「そ、そんな事…言って良いんですか?」 「良いから言ってるんだろ」 「部長が私にベタ惚れだって思っちゃいますよ?」 「何の問題もない」 「私だけだって信じちゃいますよ?」 「俺はずっと前から泉しか見てない」 「三十路の女と付き合うと大変ですよ?」 「俺が面倒見てやる」 「そんな事言われたら…」 「もう黙れって」 「んっ…」 唇を塞がれてしまった。 部長の口付けは荒い癖に甘く感じて意図も簡単に翻弄されてしまう。 もう…信じて良いのかな? 私を離す気なんて無いんだと 唇が離れると視線が絡まる。 「本当に…私で良いんですか?」 「良いんだよ。俺がサンタクロースに頼んだんだからな」 フッと悪戯に微笑む部長の顔。 「…全部聞いてたんですね」 「勝手に聞こえて来たんだよ」 「もう…知りません」 嬉しい筈なのに照れ臭くて。 甘い部長にドギマギして。 でも… サンタクロースに感謝。 今年は素敵なクリスマスになりそうよ。 End.
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