サンタクロース

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今日は忘年会。 既にフロアには誰も居なかった。 フロアにキーボードを叩く音だけが響いている。 余程の事が無い限り、忘年会には全員参加がウチの部署の決まりだ。 部長も…課長も既に行っている。 「んー…少し休憩しよっかな」 財布を手に自販機へと向かう。 迷う事なくブラック珈琲を押す。 甘いのはどうも苦手になってしまった。 昔なら迷う事なく甘いカフェオレを押していたのに。 ブラックの珈琲を手に、まじまじと見ながらデスクへと戻る。 そう言えばケーキも自然と食べなくなったな。甘ったるいクリームが苦手になってた。 気付けば女子が好むだろう食べ物は大体苦手になってしまっていた。 「ははっ…年かな」 誰も居ないフロアに自虐的な言葉を落とした。 外を眺めれば、もうすぐクリスマスと云う事もあってイルミネーションがキラキラと輝いているのが見える。 「クリスマス…ねぇ」
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