サンタクロース

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「さぁ、何でだと思う?」 腕組みをし、私を試すかの様に見据えるその瞳に… 耐え切れずに逸らしてしまう。 「何かトラブルでもあったんですか?」 手にしたブラック珈琲を握り直しながらも何故か落ち着かない。 「まぁ、そんな所だ」 「え?大丈夫なんですか?」 「んー…どうかな」 トラブルだと言う割には落ち着いていて、焦っている様には全く見えなかった。 「仕事片付いたのか?」 「はい、先程終わりました」 「そうか。泉はしっかりしてるからな」 涼しげな顔に優しく微笑まれ、褒められたのだけれど… 『しっかりしてる』その言葉はあまり嬉しくなかった。 全然しっかりなんてしていない。 だから現にこうして1人で残る羽目になってたのだから。 部長に仕事を認めて貰えるのが嬉しくて。 それで頑張ってこれたのもあるのに。 こんな情けない所を見られたくは無かったかな。
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