253人が本棚に入れています
本棚に追加
「あの…?」
「いくら責任が有るからと言って1人でやる事は無いだろ。岩下にも手伝わせれば良かっただろう?」
岩下とは今回のミスを起こしてしまった部下。
「それは…今日は忘年会ですし、初めてなのに遅れて行かせたくは無かったので…」
そこまで言うと、はぁと、溜息をつかれてしまった。
「それはソレ。これはコレだろうが。それでお前が来なかったら岩下が余計に責任を感じるだろ」
「…はい」
言われてみれば当たり前の事で。
かえって岩下に悪い事をしたなと思った。
「あぁ…ダメだな」
深い溜息と共に項垂れる部長。
「…すみません」
部長にダメだなんて言われたのは初めての事で。
呆れられてしまったのだと落ち込む。
「あ、違うぞ?泉に言ったんじゃない」
「…え?」
「俺自身に言ったんだ」
額を手で覆ってまた溜息をつく部長。
…何に対してのダメ出しだったのか分からないけれど。
私が呆れられたんじゃないと知り、気持ちは浮上する。
最初のコメントを投稿しよう!