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「ちょ、笑えない」
「うん、笑えない」
ゾロ、ゾロ・・・・とガタイの良い奴等が・・・・・・
・・・・・って、あれ?
「え、弱そ!」
「ぶっ」
思わず心の声が出てしまった。
隣で男の子が吹き出す。
つぼに入ったらしく、笑いが止まらなくなっている。
それは良いんだけど・・・
「あ゛あっ?!今なんて言いやがったこのアマ!」
・・・・やべぇ、煽っちゃった。
でも追いかけられている時は、そのドスのきいた声から、正直どんな大男だと思っていたが、正直・・・
「やっぱ、ほせえ・・・・・」
「ちょっ!」
「っざけんな!」
隣の子はまたケラケラと笑いだし、男達は身体に似合わない太い声を上げた。
「後悔してもおせーぞ!」
うおおおお、と声を発しながら、男達がこちらに向かってくる。
それでやっと自分の状況を思い出したらしい少年が、蒼白になって、ぱっとこちらに顔を向けた。
「アタシの後ろから登って!後ろを絶対気にしないで!振り返ったらコロス」
「は、はひ、ひええ!」
もはや私に怯えながら、彼が、がしゃん、がしゃん、と音を立てて登りはじめる。
「逃がすな!」
フェンスの幅は大体1メートル50センチ。
ギリギリ2人が一緒に登れるような幅で、両側は建物。
私はずいっと前に出た。
こうすれば、敵は一気にかかってくることはない。
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