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喉元に人差し指を突っ込んだ俺は、グッと力を入れてネクタイごと襟を緩めた。
「なあ、相川……それ、旨かった?」
座卓に肩肘をついてジィと見詰める先は、その口元。
未だに味を楽しんでるのか、木の棒をくわえたままのその場所。
「え、美味しかったですけど、やっぱりセンセイも食べますか?」
アイスの棒を手に立ち上がる相川。
けれど――――
「いや……こっちでいい」
畳に手をつき、腰を上げかけた相川の腕を掴む俺。
そのままグッと引き寄せ、その艶かしくテカる唇をひと舐め。
「やっぱ、甘いの苦手だわ」
なんて口では悪態をつきながらも、その練乳風味の口の中をまさぐる。
ちっせぇ口。
舌先で擽るように動かし、歯列から頬の裏側、舌の付け根の感触を遊ぶ。
おい、いーのかセンセーよなんて言われそうだが、んなもん、文句は無防備過ぎるこいつに言ってくれ。
センセーだろうが、なんだろうが、男の前で妙なアイスの食べ方をしたこいつが悪い。
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