第一話 陽炎の悪戯

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「俺がこういう事するのおかしい?」 我ながらズルくて趣味の悪い質問だと思う。 でも、走り出したら止まれないから仕方ない。 「だって、私はまだ子どもだし、センセイはセンセイだし」 涙目で訴えるその声に、俺は思わずその唇を塞いだ。 追い返そうとする舌先を、逆に絡めて俺の方へ引き摺り込めば黙ってくれる? 「ねぇ、相川……教えてやろうか。子どもなら、こここんな風になんないよ?」 太ももを押さえ付けて、掬う先――――ぬるりとした感触、分かる? 「それに――センセイがダメなら、ナツなら良いだろ。ねぇ……トモ、俺の名前を呼んで?」 戸惑いを隠せずおろつく相川。 でも、ごめんもう無理。
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