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俺は大きく息を吐き出した。
「なぁ……何で泣いてんの?」
机に両腕を乗せて、更にその上に顎を乗せる格好。
低くなる視界で見上げれば、前髪に隠れて見えなかった部分が見える。
見開いた目尻に、しっかり溜まった涙がボロボロ、ボロボロ流れている。
そして、微かに震える睫毛と、キュッと閉じられた唇。
溢れた涙が頬を伝って、
――――ボタリ。
と、プリントの印字を滲ませた。
…………。
「あーいーかーわー」
「…………」
「だからさあ、泣いてるだけじゃ分かんないのよ」
「…………」
「居残り勉強が泣けるほど嫌だった?」
首を振る相川。
「じゃあ、どっか具合でも悪くなった?」
これも違うらしい。
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