第二話 陽炎の残火

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**** 日の落ちた時間帯の運転ほど、神経を使うものはない。 泣いてる相川に付き合ったせいで、こんな時間だよ。 まあ、『スクープ!歴史のミステリー』は、録画予約しといたから問題無いんだが。 っと、危ねーなあ。 無灯火自転車がウザイ。 こういうのも、轢いたりしたら「車がわりぃ」とか言われるからイラつく。 命が惜しかったら電気点けとけよ、全く。 それにしても―――― 「あいつ、泣くとき目ぇ開けて泣くんだなー」 …………。 いやいや、何でもナイですよ? ただの感想を述べたまでで、深い意味はない。 そう、意味なんかねぇよ。 意味なんか―――― っと、何で今日はこうも無灯火が多いんだ。 やめやめ、運転に集中しねぇと、人引っ掛ける。 洒落にならねぇよ。 いや、もう………… 第二話 陽炎の残火 ――完――
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