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「あ、そうだ……」
電話を置いた相川は、突然何かを思い付いたのか、敷居を跨いで台所と思わしき向こうの部屋へ消える。
畳から板張りの床へ移る瞬間、「ギシッ」なんて床の軋む音が聞こえた。
そして、数秒で引き戸の陰から相川の顔がにゅっと飛び出た。
ろくろ首みてーに、此方に向く相川。
つーか、ろくろ首はアイス食わねえよ。
「暑いし、センセも一本食べませんか?」
相川の手にあるのは、白いアイスキャンディ。
「いや、俺甘いの苦手なんだわ」
「あー、そうなんですか。じゃあ、お茶のおかわりだしますね~」
「ん、ありがと」
相川はペットボトルを手に戻ってくると、アイスをパクっと口に啣えてお茶を注いだ。
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