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それにしても、暑い。
それなりに風は吹いてくるのか、風鈴の音は聞こえるが、あんなもんはまやかしだ。
たかが音で涼しくなんかなるわけねぇよ。
お茶を一口飲んで、チラリと腕時計を見る。
まだ五分も経ってねぇし。
俺は内心、日を改めるべきだったかと溜め息をつく。
そして、脇に座る相川を何となく見た。
こいつ、こんな部屋で暑く無いんだろうか……。
ぼんやりとアイスを食べる相川。
白い棒状のアイスを、紅い小さな舌先がペロペロと彷徨っている。
溶け掛かって流れ出すそれを器用に掬っては、時折全体をカプッと口に含むその様子。
膨れた頬と、出入りする白い塊。
動く度に、僅かに捲れ上がる唇の朱が妙に艶かしい。
…………。
って、何を考えてた俺は。
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