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「乗れっ。早く!」  目の前で自転車が急停車し、制服姿の俊輔が後ろの荷台を親指で示した。 「俊輔……」  わたしはべそをかきそうになりながら自転車のカゴにすがりついた。 「どうしよう、俊輔……。拓己が、タクシーで行っちゃった」 「大丈夫。相手は休日の16号線だぞ。敵じゃねえよ。 観音崎なら絶対こっちの方が早い」  俊輔はハンドルから両手を離し、つけ麺屋さんのポーズで白い歯を見せた。 「─地元の自転車少年、なめんなよ」
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