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「あの日、……夕方くらいに部屋で本を読んでたら、俊輔の声が聞こえて。 窓から表を覗いたら、アパートの前の道で二人が立ち話してる姿が見えた。 俊輔はサッカーバッグを背負ってたし自転車を押してたから、たぶん修理を終えて拓己くんと別れた直後だったんだと思う。 話してた相手は私服姿で、眼鏡をかけた背の高い男の子だった。 ─敬語を使ってたから先輩だと思うし、たぶん、サッカー部だと思う。 ポジションがどうの、って話をしてたから」  ぞわり、と肌が粟立つのを感じた。  ─まさか……。
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