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「拓己が少年野球をやめて、サッカーチームに入った理由」 「……?」 「お前は忘れてたみたいだけどさ。 拓己にサッカーを始めさせたの、お前だから」 「……」  ─えっ……。  目をぱちくりしていると、その反応に満足したのか、俊輔は得意げに話を続けた。 「小学生の頃、俺たちが休み時間にサッカーしてると、よくお前が教室の窓からボーッと眺めててさ」  教室から校庭を眺めるのが好きだった記憶は、確かにある。  二人はあの頃からサッカーが得意で、ひとつ上だった兄のクラスメイト達の中に混じっても互角に活躍していた。
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