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「─そうだな。……うん。お前の言う通りかも」
長い沈黙の後、俊輔が言った。
「伝えられずに後悔してること、かあ……。
うーん、……何だろうなあ。
一番心残りなのは、やっぱりこの前の電話のことかな。
つい頭に血が上って、ひどいこと言ったから。
ごめん、て、謝りたい」
「……うん」
「本当はさ。俺の中にはもう、母ちゃんに対しての怒りみたいなもんは、大して残ってないんだ。
だって、……よく考えたら今まで、母ちゃんがいなくて寂しい思いしたこと、ほとんどないから」
「……」
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