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「─先輩」
声をかけると、下駄箱の前に立っていた宗方先輩が振り向いた。
「亜優ちゃん」
少し驚いたように目を見開いて、
「授業中なのに、どうしたの」
「あの、……先輩が門から入って来るの、教室から見えたから……。
保健室に行くって言って、出てきました」
「そっか。わざわざ抜け出して、顔、見に来てくれたんだ」
そう言っていつもの笑顔を見せる。
「あの、……先輩」
「ん?」
「ホントに、やめちゃうんですか。学校」
「……」
先輩は、静かに上履きを床に下ろした。
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