第1話雑種。

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ドアのすぐ横の奴に何か聞いてて。真っ赤になりながらソイツが後ろのロッカー指差して真っ直ぐチビのトコから体操着の袋とコッチに来たかと思うと俺達の輪を突っ切ってチビのバッグ持って…。去り際に俺見てその口がボソッて吐き捨てていった。 周りの野郎は美少女の登場に大騒ぎで女子は高飛車な態度に文句ばっか。特進クラスでもトップに入っててかなり有名らしいソイツのプロフィールより、なんでソイツがチビの荷物持って行ったのか、どんな関係なのかばっかり気になって…。誰かが思い出したようにまた笑い出して、皆笑って…。 俺はあんま笑えないまま何で盛り上がってんの?って。そしたら漏らしたみたいになってた、とかやっぱ色つきとかにしとけば良かった、とか。何した?って聞いたらイスをサイダーで濡らしておいたって…。 『ホント、アイツって俺らのオモチャだよな』 皆がそうだって笑って、俺は一人血が一気に冷えてーーー。 無言で出ていく俺に掛けてきた声も全部無視して何もかんも放り出したかったけどそれはダメだって頭冷して5時間目の予鈴がなって教室入って、本鈴直前に戻ってきたチビはジャージ着てた。
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