第1話雑種。

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『モウ ヤメテクダサイ』 多分、習字かなんかやってたのかきっと綺麗な読みやすいだろう字が震えて訴えてきてた。 『シ ネ』 これは通り過ぎる一瞬、本気がこもった殺意。 『ミンナノ オモチャ』 それって笑えない冗談だよね? グルグル考えて5時間目も授業はまったく聞いてない。ベルと共に席をたったチビを横目で眺めてまだ考える。この状況を打開する最善策、いつも集まってくる奴等も昼休みの俺の態度が気になってか遠巻きに見てる。それでも空気の読めないバカ女子が放課後遊ぼうなんて甘えてくるからキモイって言って追っ払って。もうすぐ6時間目のベルとチビが来る。はぁー、って大きく息を吐いて周りがビクつく。お前等じゃマジウザいだけだ。席を立ってスタスタ教室を出る。後ろのドアから出て閉めてそれに背中預けて来るのを待つ。左から担任と、右からチビ。俺見て肩がビクッてなってドアの前を陣取る俺をどうしようとちょっと見て、俯いた。 それでいいよ、選ばせてあげる 「せんせー。チ…、コイツ調子悪かったんだ、今日。だから保健室連れてっていいよね?」
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