第1話雑種。

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返事なんて待つ気もなかったからニッコリ笑って行こう?って固まったままの手を取って、動かなかった一歩を強引に踏ませた。後ろの先生に手を振れば諦めたように教室に入っていった。よしよし、順調だ。チビが来た道を引っ張って戻って、ドコ行こうか悩んでーーー。こういうときは屋上ってのがセオリーだよね。チビの意見はいらない。 授業中の屋上は勿論貸切。これから大事な話すんだしここは若い2人にお任せ~すんのだって当然だよね。フェンスを背に座って未だに入り口のチビにこっち座れって横を指差せばまた動かない足。早くと急かせばやっと来た。手間掛けさせんなっての。 午後の陽射しが暖かくて青空は最高なのに何だ?このモヤモヤ不快感。そういや昼食ってねぇって気付いてこれはそのせいか?もうさっさと終わらせてなんか食おう。だから前置きなんて時間のムダだ。 「チ…、オマエさぁ。2択のドッチか。どうする?」 横に座ったチビは困ったように顔上げて俺を見て…。それだけで、それが答えか。うん、だと思った。 「お手。」 ?って顔で首傾げんな。なーんかイマイチ残念、だな。も一度お手って手を出せばオズオズと出した。やっとか!もう待たせんな。まずはお手から躾けるか。
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