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本当に優しくて気の利く子だ。
サーシャは改めてルシアの魅力を確認した。
「それじゃ、シャワーだけお借りするよ」
「はーい!遠慮しないで何でも使ってくださいね」
ルシアはニッコリと笑って朝食の準備を再開した。
鼻歌を歌いながら準備しているルシアを見て、ダーヴィンは複雑な気分になっていた。
本当ならば、もうサーシャとの付き合いをしないように言おうと思っていたからだ。
サーシャに限ってルシアに不都合な事を言う筈がないと思ってはいても、まだ今日で二回しか会っていない人物である。
信頼関係を築くには、日が浅い。
「今日は随分と豪勢だな、これじゃまるでディナーじゃないか」
テーブルに並べられた料理を見てダーヴィンは笑った。
「なんとなく、嬉しくて」
ルシアは本当に嬉しそうな顔で笑った。
向こうに住んでいた時は友達も多かっただろう
だが、こちらに来てからは人との繋がりが無いに等しいのだ。
たまの訪問者で、しかもそれがルシアの恩人ともなれば嬉しくて当たり前だろう。
付き合いをやめろだなんて言えようはずがない。
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