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「いい匂いだね」
お風呂を済ませたサーシャが髪を拭きながら二人の前に現れた。
「脱衣所にあった服を借りたけど、これお兄さんのだろ?男物でピッタリなんて、アタシもダイエットしないとダメかね」
決して太っている訳ではないのだが、サーシャは自分の腹をさすりながらそう言った。
「必要ないですよ」
ダーヴィンはそう言ってサーシャを座らせる椅子を引いてエスコートした。
「こんな事されたら惚れちまうよ」
ガハハと笑って椅子に座ったサーシャを見て、ルシアも笑い出す。
「ルシア、それにダーヴィン…ありがとう」
「お礼なんていいんですよ。ほら、冷める前にいただきましょう」
いつも一人で食べていたサーシャにとって、三人で食べる食事はこの上なく美味しい物だった。
自分にも子供がいたら…などと考えてはみるが、これほどまでに出来た子供に育つかといえば難しいかもしれない。
それほどサーシャには二人が優しく思いやりのある人間に見えた。
だからこそ、ルシアを探しダーヴィンについて調べている女から二人を守らないといけないという感情が強くなる。
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