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食事が終わり、食後の紅茶を飲んでいる時にサーシャは言った。
「あの女…ダーヴィンの交友関係を調べていたよ」
あの女…とは義母の事であろうとルシアもすぐにわかった。
「僕の交友関係…ねぇ」
調べられてマズい事などこれといって心当たりはない。
「まぁ、これも不確定要素だがね。アタシにだって核心はないよ」
「…と、いいますと?」
「この街で未婚の医者はいないか?って聞かれたんだよ、ダーヴィン…あんた、医者だろ?」
サーシャは鋭い眼差しでダーヴィンに問い掛けた。
国に医者が少ない事から考えると、医者という職業だけで人物を探すことは不可能ではない。
ダーヴィンが医者であると知っている者ならば、おのずとダーヴィンの事が頭に浮かぶだろう。
だが、なぜサーシャがそれを知っているのか…。
「違うのかい?違うならいいんだよ」
「いえ…僕は医者です」
「だろうね、こんな立派な家に住めるのは医者か学者か王族ぐらいさね」
そんな事で職業を判断したのかと思う反面、サーシャの鋭さに驚いていた。
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