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さすがに色々な人間を見てきた眼力はごまかせない。
サーシャは家を例えに出したが、もしもダーヴィンが誤魔化すようであれば他にもダーヴィンが医者だと思った理由を述べようと思っていた。
が、その必要はない。
ダーヴィンが素直に認めたからだ。
それにサーシャはダーヴィンを言葉で言い負かすために来た訳ではない。
「なんで既婚じゃなく未婚って言ったのかアタシにゃわからないけど、あれはあんたに気がある感じに見えたね。ルシアを探してダーヴィンを調べるって、あの女はルシアをダーヴィンの恋人と勘違いでもしてるのかね?」
言っている事は滅茶苦茶ではあるが、義母であるという事を知らない人間にしてみればそう見えるのかもしれない。
義母の恋心が混じっていなければサーシャだって他の見方をしたのだろうが…。
「…どうでしょう。僕にはわかりませんが…」
「もしもそうなら、ルシアが危ないと思うんだよ。あぁいう女は何するかわからないからね」
サーシャが真面目に言えば言うほどに真実を伝えたくなる。
これでは略奪愛をするためにルシアを殺そうとしているという話に発展するのではないかと笑いそうになる。
そう思っていると、ルシアが口を開いた。
「違うんです。あれは…養母さんなんです」
ルシアは隠すことなくそう言った。
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