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「話すときは、人の目を見ましょう」
「……」
「って、先生か親に言われなかった?」
「どうですかね。もう覚えていませんが」
外回りの仕事が終わって帰ってきた羽島さんに、今日頼まれて作成した書類を渡し、仕事をする中で出てきた疑問点を質問し終えた私は、デスクに戻って机の上の整理をする。
両方の手で頬杖をついている羽島さんは、ノートパソコンを閉じて、呆れた顔で呆れた視線をこちらに送ってくる。
「おととい謝ったけど。“サル”って言ったこと」
「もう遅いので、お先に失礼していいですか?」
すでに夜8時半。
このフロアに残っているのも、端っこの島の男性社員2人だけだ。
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