第1話

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15歳の私は、バカだった。 「好きだなぁ」 「……」 自分の感情だけで世界を回していた。 「なんでこんなに好きなんだろう」 「……さぁ」 好きだから、好きだと言った。 「あー。もう、好きすぎて吐きそう」 「吐くなら、外行ってね」 「冷たいなー、彼女に対して」 「よくそんなに何回も言えるね」 思った数だけ言った。 それはもう、数えてもきりがないほど。 「だって、ちゃんと態度と言葉で示さなきゃ伝わらないでしょ?」 「そう?」 「あ、ちょっと違うや。伝わってほしい、じゃなくて、伝えたいんだ」 「一緒じゃないの?」 「熱量の違い」 「何キロカロリーくらい違うわけ?」 「なんでカロリーが出てくるの? 食べ物の話じゃないよ」 「……」    
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