≪現在≫

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「あ、そーだ、課長の歳、知ってる? 当ててみてよ」 少々呂律が回らなくなってきた古賀さんが、私に質問を投げかけてくる。 「28……とかですか?」 「え? あ、そう。そうなの。こんなに偉そうだけど、俺らと3つしか変わらないの。 なんだ、三浦さん当てちゃった。35歳とか、もっと老けて見えてると思ってた」 「老けて見えてますけど」 「おい、三浦」 羽島さんのツッコミにみんなが笑った。 この飲み会が始まって、初めて羽島さんと交わした言葉がそれだった。 「でもさー、社会人になってからの3歳差と、学生の時の3歳差って、全然違うよねー」 「確かに。学生の頃は、先輩ってなんかすごく大人って感じたし、逆に年下は子どもに見えて。 後輩の子とつきあってたけど、俺、めちゃくちゃ大人ぶってましたもん」
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