序章

2/3
前へ
/277ページ
次へ
好きなもの。 “魔法” 将来の夢。 “魔法使い” 小学校の文集にそう書いたことがある。 10歳になるまで私はずっとそうなれると信じていて。 お母さんみたいな魔法使いになる。 それが私の夢だった。 「なれるわよ。だってあなたはお母さんの子だもの」 そう言って抱きしめてくれるお母さんを疑うなんてしたことがなかった。 そんな私が最初にそれが嘘だと気づいたのは小学5年生の時。 病弱だったお母さんが空へと還った時だった。
/277ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加