転校生。

4/14
前へ
/16ページ
次へ
その数週間後、彼女をテレビで見かけるようになった。 彼女の歌唱力と演技力。そして何より、整った容姿。 彼女の人気は衰えをしらず、どんどん売れていったのだ。 もっと、更に、遠い存在になってしまった……。 そんな彼女は、たまに顔を出してくれて、俺の仲間とも仲良くなっていた。 けど、やっぱり忙しいのか、顔を出しに来てくれる回数は減り、今では全然会っていない。 俺は学校に行く時間になったので、テレビの電源を切った。 「行ってきます」 そう言って、家を出た。 「幸村おはよう。今日も元気か?」 しばらく歩いていると、後ろから声をかけられた。 「おはよう、真田。俺はいつも元気だよ」 声をかけてきたのは、同じテニス部に所属している真田だった。 真田は黒いキャップを被っており、テニスバックを肩にかけている。 ようやく学校に着き、朝練をし、それぞれのクラスへと別れた。 .
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加