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若干スキップ交じりで家に帰った。家に帰るなりすぐ風呂に入った、飯など食わず歯を磨き宿題などそっちのけで寝る準備をした。脚だけ毛布に入れ敷き布団に座ると肩掛け鞄の中から茶封筒に入っている二つ折りの紙を取り出した。
「ふぅ・・・・・・・・・」
呼吸を整える。まだドキドキはおさまっていないがそこはしょうがない、何せ人生初の恋なのだからな!ゆっくり、少し時間をかけながら紙を開いた。
「なっバカな!」
一つ前の依頼で分かっていた、その紙の右上にその子の夢と繋がるためイメージしやすくするために顔写真が貼ってある筈なのに・・・・・・・・・そこには何もなかった。どんな顔か気になっていたのに。前にも言ったが夢のなかと現実では顔や性格が違うこともある、らしい。まあ、先輩の事だから嘘ではないと思う。顔写真・・・・・・・・・・か、まあ今日から何日か会い、デートに漕ぎ着けよう!そう心に言い聞かせて眠りに着く、筈だったのに
ピロリロリン♪ ピロリロリン♪
「チッ・・・・・・・・・・・・・・」
こんなときにメールかよ・・・・・・・・・・・・・・げんなりするな。
携帯をチェックすると、順からだった。
『勇、まだ起きてるよな?親父が倒れた、俺どうしたらいい?』
おいおいおいおい、まず舌打ちしたことを謝らなければ。確か、こいつのうちは母親が早くに亡くなってるんだったな、そこからずっと父親一人だったとか。順は心の拠り所にするくらい親父を慕っていた。そんな親父が・・・・・・・・・・・・・・・・
『今病院か?』
今日夢のなかに入るのは諦めよう、順は俺の親友だからな。
まだ、若干髪は濡れていて湯冷めするだろうが、パジャマがわりのジャージの上にジャンバーを着てチャリを全力で漕いだ。 病院まで10分もかからなかった。と思う、正直全力で漕いだせいで全然記憶にない。病院に着くなり順が今にも泣きそうな顔で待っていた。
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