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「お、おう勇悪いな、ひ、一人じゃ瞑れそうだったんだ」
声が震えているのが分かる、よっぽど応えているんだろ。
「いいさ別に、それより大丈夫なのか?」
「分かんない・・・・・今見てもらっている。」
こういうときどうすればいいのか、俺には分からなかった、ただ何も語らなくてもいいと思った。隣の席に座っていて順の震えが伝わってきた。多分30分くらいそのまま俺らは動かなかった。
ウィーン・・・・・・・・・コツコツ。先生がやっと来た、30分がとっても長く感じられた。
「検査の結果、悪性の腫瘍が見つかりました。」
「そんな・・・・・・・・・・・・」
順が声を出した。そして力なく椅子にもたれ掛かった。
「ただ、幸いなのは今回は疲労で倒れたということです。まだ、進行していませんので、手術をすれば助かります。ご家族である貴方がいいと言うのであれば今すぐ入院していただきますが」
「お願いします!親父を、親父を助けてください!」
「俺からもお願いします」
順は目から大粒の涙を流していた。それから順は親父さんとしばらく何かを話していた。15分くらいで走ってこっちに戻って来た。
「勇、言いにくいんだけどさ・・・・・・・・・・・・・」
「なんだ?この際何だからハッキリ言えよ」
「分かった。親父の病気が治るまでお前ん家に泊めてくんねぇ?」
「へッ!?」
いきなりすぎて謎すぎた、確かに俺の家には俺以外誰も居ないが・・・・・すると、順が言い訳のようにこういった
「俺さ、料理とか出来ないじゃん♪」
親父が心配なくなったとたんにこのノリか、ついてけねぇよ
「分かったよしゃーねーなその代わり。お前にも働いて貰うからな」
「おう!じゃあ、準備してくる。俺の布団準備しといてくれ!」
「ちょ、まっ・・・・・」
今からかよ!というツッコミを入れる前に順は走って帰ってしまった。
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