第2章

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守が入店してから40分が過ぎた頃、 店長の塚地(ツカジ)がミヤを呼んだ。 「何よ、塚地。」 怠そうにミヤは返事をして近づく。 「何でお前らは俺を呼び捨てにすんねん。」 塚地は関西出身で林家ぺーみたいな髪型をしている。 塚地は40歳前にオーナーに連れられ、この街にやって来た。 いつも隠れて酒を飲んでいるせいで 店がラストの頃にはベロベロに酔っ払い オーナーに何度もボコられている。 「あんな、悪いんやけど、 一緒にキャッチ行ってくれへん?」 あからさまに嫌な顔をするミヤ。 こんな寒い時に外なんかに立ちたくない。 が、周りを見渡すと珍しく空いているボックスがある。 守以外の客はお触りありの客ばかり。 ミヤは渋々頷くと店から支給されている上着を羽織った。 守は理絵と2人っきりになれると 嬉しそうにミヤに手を振る。 『守のヤツ…』 イラッとしながらも塚地の後を追って外に出た。
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