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守が入店してから40分が過ぎた頃、
店長の塚地(ツカジ)がミヤを呼んだ。
「何よ、塚地。」
怠そうにミヤは返事をして近づく。
「何でお前らは俺を呼び捨てにすんねん。」
塚地は関西出身で林家ぺーみたいな髪型をしている。
塚地は40歳前にオーナーに連れられ、この街にやって来た。
いつも隠れて酒を飲んでいるせいで
店がラストの頃にはベロベロに酔っ払い
オーナーに何度もボコられている。
「あんな、悪いんやけど、
一緒にキャッチ行ってくれへん?」
あからさまに嫌な顔をするミヤ。
こんな寒い時に外なんかに立ちたくない。
が、周りを見渡すと珍しく空いているボックスがある。
守以外の客はお触りありの客ばかり。
ミヤは渋々頷くと店から支給されている上着を羽織った。
守は理絵と2人っきりになれると
嬉しそうにミヤに手を振る。
『守のヤツ…』
イラッとしながらも塚地の後を追って外に出た。
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