第2章

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うっすらと目を開け良を見た。 「何の用事? ずっと山ちゃんのゼミ出てないんだよ。 絶対、単位落とされる!」 普段からの自分の出席日数を考えると悪い話に決まっている。 「行かない… 具合悪いもん。」 しかし良は聞く耳持たず。 「はぃはぃ。 分かったからシャキッとして行ってきな! 講堂の隣の205号室に入るって。」 そう言ってミヤの両腕を掴み起き上がらせる。 「あ゛~ あ゛~。」 と変な声を出しながら体を起こし歩き出す。 山ちゃんとはミヤのゼミの担任の山崎教授。 還暦をとうに超えたおじいちゃん。 見た目はメタボで今時、丸渕の牛乳瓶のようなメガネにタラコ唇。 いかにも憎めないタイプだ。
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