第2章

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古い木製の扉を押し開け教室の中に入る。 だだっ広い教室の黒板の前で可愛くポツンと座る置物… いや、あれは山崎教授。 「ちはっ。 先生、アタシの事探してるって聞いて…。」 山崎教授はピコピコと手招きする。 『言い訳ねぇし… やばぃな…』 愛想笑いをして近くミヤに 山崎教授は机の上の紙を指差した。 「ミヤちゃん。 久し振りだね。 元気だった? ところで、何日にする? ミヤちゃんバイトとかで忙しいって聞いたから。」 言っている意味が理解出来ない。 山崎教授の指先をよくよく見ると…それは出席簿。 「欠席2日くらいでいい?」 にこやかに話す山崎教授が天使に見える。 「いいの? アタシ全然出てないのに… 山ちゃん、心入れ替えて授業ですから。 ありがとう!」 ミヤは力が抜けて机にもたれかかった。 ミヤにとっては遠い将来、山崎教授はミヤの人生を左右する一人となる。 しかし、それはまだまだ先のこと… この時のミヤには知るよしもなかった。
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