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大学の帰り道…。
急な坂道をつんのめりながらダラダラと歩くミヤ。
季節は晩秋で肌寒い日が続いていた。
道沿いの木々の葉はほとんど残っていないが
珍しく今日の日差しは暖かくて気持ちが良かった。
普段ならタクシーで自分の部屋に帰るのに
こんな日は学生らしく何だか歩きたい気分で…
「眩しぃ…溶けそう。」
本当に溶けるわけではない。
ただ夜ばかり起きて生活していると
いつの間にか口癖になっていた。
光を浴びて歩くと自分が学生だと思い出させてくれる。
機嫌良く歩くミヤに、ゆっくりと前方から近づく一台のベンツ。
窓にスモークが貼られた黒塗りタイプ。
その車はミヤの左側に横付けすると運転席の窓を下ろした。
「俺とラブホでもいかない?」
一瞬ミヤは、話し掛けてきた男を睨みつけ一言、
「キモい。」
そのまま運転席側のドアを思いっ切り蹴飛ばした。
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