第2章

6/11
前へ
/11ページ
次へ
大学の帰り道…。 急な坂道をつんのめりながらダラダラと歩くミヤ。 季節は晩秋で肌寒い日が続いていた。 道沿いの木々の葉はほとんど残っていないが 珍しく今日の日差しは暖かくて気持ちが良かった。 普段ならタクシーで自分の部屋に帰るのに こんな日は学生らしく何だか歩きたい気分で… 「眩しぃ…溶けそう。」 本当に溶けるわけではない。 ただ夜ばかり起きて生活していると いつの間にか口癖になっていた。 光を浴びて歩くと自分が学生だと思い出させてくれる。 機嫌良く歩くミヤに、ゆっくりと前方から近づく一台のベンツ。 窓にスモークが貼られた黒塗りタイプ。 その車はミヤの左側に横付けすると運転席の窓を下ろした。 「俺とラブホでもいかない?」 一瞬ミヤは、話し掛けてきた男を睨みつけ一言、 「キモい。」 そのまま運転席側のドアを思いっ切り蹴飛ばした。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加