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ミヤの返事が益々勘に触ってしまったのか
カズは深く溜め息をつくと
煙草を取り出しフィルターを噛み潰した。
「さっき言ってたヤクザのトコに行くんだろうが?
なぁ…ミヤ。
ヤクザと関わるのは止めとけ。」
ミヤを諭すように真っ直ぐにミヤを見つめ話すカズ。
何か悪い事をしているわけでもないのに
何故か申し訳ない気持ちにミヤはなっていた。
「…なんか…ごめん。
でもさぁ、約束したし…
ちょっと顔出してお礼したら帰るょ。
大丈夫だから。」
カズはミヤの目の前まで来ると屈んでミヤの顔を覗き込む。
「…もうっ近い…ょ。」
後退りするミヤの右腕をカズが掴む。
「お前、俺の言いたいこと分かってねぇだろ?」
『うん。 あまり…』
ミヤが心の声で返事をした瞬間
車道から二度のクラクションが聞こる。
音のした方を振り返ると、黒塗りのBMWがミヤ達のいる道端に横付けしていた。
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