第4章

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左の運転席のドアが開き男が降りてくる。 30歳位だろうか… 「ミヤさんですか? お迎えに… あの…。」 と言いかけ男はミヤの腕を掴むカズを見た。 焦ってミヤはカズの手を振り払う。 「あっ、アタシがミヤです。 わざわざスミマセン。 カズさん、アタシ行くょ。」 ミヤは愛想笑いをして車の後部座席のドアに向かう。 「あの…いいんですか?」 都合の悪そうな男がドアを開けながらミヤに聞く。 「あぁ、平気です。 見送りに来てくれただけなんで。」 そう言うと車に乗り込むミヤ。 もちろん理絵達やカズが心配してくれているのは分かっている。 しかし…内心仁に会えると思うと胸が高鳴る自分がいた。 機嫌よく鼻歌交じりでバッグからファンデーションを取り出し ミヤは化粧直しをし始める。 グロスを唇に塗ろうとしたその時、 車の外で話しをするカズと運転手の男が目に入ってきた。
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