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『…ん? 知り合い?
何話してんだろ…』
ミヤの視線に気付き話しを中断しようとするカズに男は何やら耳打ちをすると、
一度軽く頭を下げ運転席に乗り込んで来た。
不思議な違和感を感じながらも後部座席の窓をミヤが開けると
カズは車内のミヤと目線を合わせるように腰を屈めた。
「何かあったら直ぐに電話して来いよ。
んで帰る時には必ず理恵か俺に連絡しろよ。」
『どんだけ、信頼されてないんだろ…アタシ。』
ミヤは引きつり笑いをしながら返事をしカズに手を振った。
直ぐに見送るカズが小さくなり見えなくなっていく。
音楽もラジオも流れていない静かな車内。
見知らぬ男と2人きり。
居心地が悪くてたまらない。
「あの…アタシが行っても場が白けません?
今行くトコどこか全然分かんなくて…。」
取りあえずこの場の空気を変えたくて話し掛けるミヤ。
運転席の男はチラッとミヤを見るとまた真っ直ぐ前を見て答える。
「大丈夫っすよ。
仲間内だけですし。
それにもう直ぐ帰ると思うんで…
大して長くはなりませんよ。」
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