第4章

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運転席の男が話し終えると車は静かに道路脇に停車した。 「着きましたよ。」 『着きましたよって… 5分も走ってないし。 場所教えたら自分で来るのに…』 ミヤは車内から外を見回しながら自分の居場所を確かめていた。 カズ達の店から数ブロック離れた飲み屋街。 中心街から離れているせいで人通りも さっきまであれほどいたタクシーもほとんど見当たらない。 若いミヤからしたら かなりマニアックな通りだ。 「どうぞ。」 男は後部座席のドアを開けてくれる。 軽く会釈をしながら車を降りるミヤ。 目の前には白い看板に青い字で《Rain blue》。 初めて見る看板だった。 「皆さん、中に居るんでどうぞ。」 男に言われミヤは扉の前に立つと ゆっくりドアノブに手をかけた。 扉を開けると同時に店内の煙草の煙がミヤの体にまとわり付く。 『わっ…凄っ…煙い』 見るからに濁った空気の奥に、 見覚えのあるシルエットが動いている… よく見ると仁が右手でミヤに手招きしていた。
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