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理絵の明るい声に釣られてミヤも少し口元が緩む。
「そうだね。
そうだよね。
女は他にもいるよね。
……。
よし! 飲も!!
守、千円出して。
ジャンケンで負けたら金無くす上に酒一気ね。」
ミヤはそう言って胸元の札を一枚テーブルの上に置き、
塚地が運んできた酒を口の中に含んだ。
「おぉーい。
守、店終わったよ。 帰んぞ。」
すっかり潰された守がミヤと理絵に支えられどうにか立ち上がる。
結局、守はミヤに惨敗しこの有様。
ミヤはたんまりと守から飲み代をせしめご機嫌だった。
「スミマセン。
お願いします。
守、今日はありがとう。」
代行車の後部座席に守を押し込み、頬にキスをする。
「汚ねぇ…。 何だよマジでぇ。」
守はブツブツ文句を言いながら自分の頬を左袖で拭う。
本当に嫌そうにうなだれる守を見て、
満足そうにミヤは車のドアを閉めた。
「理絵、新太郎んトコに飲み行くか?
守から飲み代ガッツリ頂いたし。」
理絵は嬉しそうにミヤに腕を組むと大きく頷いたのだった。
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