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《ラッシュ》の扉を理絵が勢い良く開ける。
「新太郎!来たょ、ミヤも連れて。」
理絵はミヤから腕を離しカウンターに駆け寄る。
「理絵、お疲れ様。」
カウンターの中でグラスを拭くのは新太郎。
彼は24歳。
理恵と付き合って今日で2ヶ月になる。
「おっ! 来たな、ミヤ。
こっち来いよ。」
カウンターの壁側の隅に座っているカズがミヤに手招きした。
「カズさん、相変わらず良い男だね。
でも今日は体空いてんだぁ。
珍しい。 じゃあ…今日はアタシの相手してくれんの?」
ミヤは上機嫌でカズの隣に腰掛ける。
「今日はじゃなくて今日もだろ…。」
苦笑いしながらミヤを見るカズ。
普段ならこの時間、カズの客が来ていて
一緒に飲めることはまず無いに等しいが
時間が空いている時は、こうしてミヤの相手をしてくれていた。
「つぅかミヤ、何飲む?」
カズの問いに答えるミヤと同時に
カズも一緒に答えた。
「焼酎の茶水割。」
笑うミヤ。
「わかってんじゃん。」
ミヤとカズ、そんな2人の普段と変わらない会話に理絵が割って入ってくる。
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