第4章

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《ラッシュ》の扉を理絵が勢い良く開ける。 「新太郎!来たょ、ミヤも連れて。」 理絵はミヤから腕を離しカウンターに駆け寄る。 「理絵、お疲れ様。」 カウンターの中でグラスを拭くのは新太郎。 彼は24歳。 理恵と付き合って今日で2ヶ月になる。 「おっ! 来たな、ミヤ。 こっち来いよ。」 カウンターの壁側の隅に座っているカズがミヤに手招きした。 「カズさん、相変わらず良い男だね。 でも今日は体空いてんだぁ。 珍しい。 じゃあ…今日はアタシの相手してくれんの?」 ミヤは上機嫌でカズの隣に腰掛ける。 「今日はじゃなくて今日もだろ…。」 苦笑いしながらミヤを見るカズ。 普段ならこの時間、カズの客が来ていて 一緒に飲めることはまず無いに等しいが 時間が空いている時は、こうしてミヤの相手をしてくれていた。 「つぅかミヤ、何飲む?」 カズの問いに答えるミヤと同時に カズも一緒に答えた。 「焼酎の茶水割。」 笑うミヤ。 「わかってんじゃん。」 ミヤとカズ、そんな2人の普段と変わらない会話に理絵が割って入ってくる。
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