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仁との電話を切り終えミヤはカーテンの隙間を少し広げる。
つい目を細めてしまうほどの日差しが顔に当たるが心地良い。
ミヤは左手首にしている虎の目を外し、両手に挟んだ。
『仁さんが今日も無事過ごせますように…』
暫く何をするわけでもなくただミヤは日差しに向かう。
ミヤにとって大切なひとときとなっていた。
あの日仁と別れホテルを出る頃には外はまた暗くなっていた
仁と別れ自分の部屋に戻った直後のこと…
午後6時過ぎに部屋に着く。
ある意味恐ろしさで携帯を捨てたくなった。
なぜなら、仁にかまけすっかり理絵達の事を忘れていたのだ。
『ヤバぃ…電源落ちてる…
あぁ…仁さんと飲んでる時うるさいから
音消して…』
ミヤは微かな記憶をたどりながら
携帯の充電器を見つけ携帯に差し込んだ。
画面が起動する。
そして着信の通知…
鬼のように、凄まじい着信履歴&メール数。
理絵、カズ、理絵、カズ………
2人の名前で埋まっていた。
充電が切れるまで電話しまくっていたのだろう…
『恐っ。
………。 うぅ―ん。
取りあえず理絵か…。』
ミヤは青ざめながら発信ボタンを押し携帯を耳に当てた。
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