第5章

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仁との電話を切り終えミヤはカーテンの隙間を少し広げる。 つい目を細めてしまうほどの日差しが顔に当たるが心地良い。 ミヤは左手首にしている虎の目を外し、両手に挟んだ。 『仁さんが今日も無事過ごせますように…』 暫く何をするわけでもなくただミヤは日差しに向かう。 ミヤにとって大切なひとときとなっていた。 あの日仁と別れホテルを出る頃には外はまた暗くなっていた 仁と別れ自分の部屋に戻った直後のこと… 午後6時過ぎに部屋に着く。 ある意味恐ろしさで携帯を捨てたくなった。 なぜなら、仁にかまけすっかり理絵達の事を忘れていたのだ。 『ヤバぃ…電源落ちてる… あぁ…仁さんと飲んでる時うるさいから 音消して…』 ミヤは微かな記憶をたどりながら 携帯の充電器を見つけ携帯に差し込んだ。 画面が起動する。 そして着信の通知… 鬼のように、凄まじい着信履歴&メール数。 理絵、カズ、理絵、カズ……… 2人の名前で埋まっていた。 充電が切れるまで電話しまくっていたのだろう… 『恐っ。 ………。 うぅ―ん。 取りあえず理絵か…。』 ミヤは青ざめながら発信ボタンを押し携帯を耳に当てた。
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